医師の過重労働を是正しようと、厚生労働省では2017年夏から「医師の働き方改革に関する検討会」が進められています。こうしたなか、外科医の働き方改革を急務と考える日本外科学会(理事長=森正樹・大阪大教授)は8月31日、厚労省の鈴木俊彦事務次官を訪ね、外科医の労働時間を短縮するための制度創設を求める要望書を提出しました。要望書では、外科医が他の診療科の医師と比べて労働時間が長く、日本外科学会の調査によると週60時間以上働く医師の割合が70%を超えていることを紹介しました。さらに、手術以外にも、書類作成・病棟業務・外来・救急対応などの業務があり、必要な手術症例数を確保しながら働く時間を短くするには多くの課題があることを挙げました。そのうえで、諸外国では他の医療職種が書類作成など多くの業務を担い、外科医が手術に集中しつつ働く時間を短くできる環境にあると指摘しました。「(十分な能力をもつ)医療職種がすみやかに充実していくことが必要」とし、諸外国のように、外科医の技術の維持と働き方改革を両立できる制度の創設を求めました。