福井県の関西電力大飯原発(おおい町)と高浜原発(高浜町)の同時事故を想定した国の原子力防災訓練が25日、両町などで実施されました。近接する原発の同時事故を想定した大規模訓練は初めてということです。大飯原発近くのオフサイトセンターでは安倍晋三首相による「原子力緊急事態宣言」がモニター画面に映し出され、参加者たちは緊張した面持ちで訓練に臨んだのです。訓練は26日までの2日間で、国や関電、半径30キロ圏内の福井県、京都府、滋賀県の住民ら約2万1600人が参加します。25日の訓練は、午前8時に京都府北部を震源とした震度6弱の地震が発生し、両原発で原子炉が冷やせなくなったと想定し、3府県に対策本部が設置され、東京との初動態勢を確認しました。おおい町のオフサイトセンターでは午後3時ごろ、安倍首相が原子力災害対策特措法に基づき住民避難を指示する宣言を読み上げる映像が流れました。また、屋外では原子炉に緊急注水する大型ポンプ車や遠隔操作でがれきを撤去する無人の重機が出動したのです。